今年度も10月15日・16日に「音と絵本のお話会」が開催されました。
名古屋市内全域の幼稚園、小学校、養護施設等で活動されているユニット「音と絵本のお話会」さんによるもので、全学年それぞれ違う物語でお話会を開いてくださいました。
今回は1年生と3年生の様子に注目してご紹介します!
1年生
体育館に入るとバイオリンの演奏「夢を叶えてドラえもん」が響き、子どもたちの表情も自然とワクワク。
はじめに紹介されたのは、バイオリンやピアノだけでなく、ビニール袋など身の回りのもので作られた手作りの楽器たち。
朗読に効果音やBGMなど5人の語り手さんが生み出す音の世界に、子どもたちの目がきらきらと輝きます。

ただ聞くだけではなく、数を数えたり一緒にセリフを言ったり…。
そんな参加型のお話会が、いよいよ始まります!
「だってだってのおばあさん」

お話の中で「今日は99さいのお誕生日!」と語られると、「ええー!?」と驚きの声。
でもケーキのロウソクは5本だけ。
みんなで「1さい、2さい、3さい、4さい、5さい!」と数える声がそろったところで、おばあさんが「じゃあ私は5さいね」と言うと、子どもたちの笑い声が広がりました。
「ブレーメンのおんがくたい」
タイトルが伝えられると、「知ってるー!」と元気いっぱいの声。
語り手さんが「さあ、ブレーメンへ行こう!」をドイツ語で挑戦してみましょう、と声をかけます。
子どもたちは少し照れながらも、
「gehen nach Bremen!(ゲーエン ナッハ ブレーメン!)」と声をそろえて練習。


初めて聞く言葉に戸惑いながらも、だんだん元気よく声が揃い、楽しそうにセリフを言う姿が印象的でした。
物語が進み、動物たちが泥棒の家を見つける場面では、不穏な音が鳴り響き、子どもたちの表情が一瞬かたまります。
息をのむ静けさの中、朗読の声と音の重なりが物語を生き生きと描き出しました。
「十二支のはじまり」
干支を決める動物たちの競争に、真剣なまなざしで耳を傾ける1年生たち。
足音や風の音が重なるたび、物語の世界にぐっと引き込まれていきます。


「このお話では十二支に猫はいないけど、ベトナムとブルガリアには猫がいるよ」と豆知識を教えてもらうと、子どもたちは興味津々で耳を傾けていました。
「どんぶらどんぶら七福神」


最後のおまけは「どんぶらどんぶら七福神」
打ち出の小槌を振ったり鯛を釣ったり、七福神の動きを真似しながら、笑い声が広がりました。
「バイオリンの さんぽ でおわりの時間」

名残惜しいけれど、おわりの時間。
バイオリンが「さんぽ」を奏で始めると、子どもたちはまるで『となりのトトロ』のメイちゃんのように元気いっぱいに行進。
音楽に包まれながら笑顔で体育館を後にしました。
3年生
体育館に入ると素早く整列した子どもたち。
「お話会が先生たちもとっても楽しみです」と先生のあいさつの後、子どもたちも「お願いします!!」と元気よくあいさつ。


3年生向けに読んでいただいた物語は大きく分けて3つ。
今年はどんな物語に魅了されたのでしょう。
「ちいちゃんのかげおくり」
3年生の教科書にも載っている、戦時中の小さな女の子「ちいちゃん」のお話です。
しんみりとしたナレーションに、子どもたちも内容の切なさを感じ取っているよう。
静かに鑑賞しています。
爆弾が投下されたシーンでは、おどろおどろしいナレーションや楽器による恐怖の音色で、子どもたちはさらに静かに…。
3年生にもなり、想像する力に成長を感じられた一幕でした。

「モチモチの木」
表紙がちょっぴり怖くて、子どもたちには手に取りにくい絵本かもしれません。
これは山奥の暗い夜を怖がる臆病な豆太とおじいちゃんのお話です。
大きなテナーリコーダーやピアノ、ジャンベなどのたくさんの音が、物語に迫力を加えます。
腹痛を訴えるおじいちゃんの為に、怖い怖い夜の山道をくだって医者を呼びに行った豆太。
「人間は優しさがあれば、やらなければならないことはやるもんだ」と臆病だった豆太に伝えたおじいちゃん。
心優しいけれどいざという時には人の為に強くなれる豆太に、3年生のみんなは何を感じたのでしょうか。

「いそっぷのおはなし」
ここでは9つの短い物語を次から次へテンポよく語ってくださいました。
①きつねとつる②うさぎとかめ③よくばりないぬ④うしとかえる⑤ひつじかいとおおかみ⑥きこりとおの⑦からすときつね⑧ありときりぎりす⑨きたかぜとたいよう
かえるのお腹の破裂音や犬の口から肉がひゅーんと落ちる音。
きらきら音で神様が登場したり、音に合わせてみんなで手拍子したり…。
子どもたちは、記憶にある内容と軽快に入れ替わる音で、物語にぐんぐん惹きこまれていきました。

「最後のおまけは…」
最後に少し時間があったので、楽器の紹介をしてくださいました。
ソプラノリコーダーやテナーリコーダー、アフリカ生まれのジャンベ(太鼓)など、素敵な効果音を奏でていた楽器がずらり。
よく見ると、卵のパックやお米の入ったお菓子箱、詰め物の入ったレジ袋など、身近な物で手作りした楽器まで!
アイデアと工夫の詰まった「音と絵本のお話会」。
切ないストーリーやワクワクさせられる音色に、大きく心動かされた3年生でした。



3年生の退場曲は葉加瀬太郎さんの情熱大陸♪

まとめ
演奏や朗読を通して、子どもたちは“音で感じる物語”の楽しさを全身で味わっていました。
知っているお話も、いつもとはまた違った印象をもったのではないでしょうか。
「音と絵本のお話会」のみなさん、今年度も子どもたちに素敵な時間をありがとうございました♪

