1月8日、保護者向けの「家庭教育セミナー」が執行部主催で開催されました。
今回は消費生活センターより岩瀬講師をお招きし、子どものネットによる金銭トラブルについてお話いただきました。取材を快諾いただきましたので一部ご紹介します。
現代の子どもをとりまく環境
・物心ついたころからインターネットがある→好奇心のある子どもたちはどんどん自分で進めていってしまう
・キャッシュレス→現金が手元から減っていく感覚がわからない
子どもが課金してしまったお金の返金は可能なのか
Q、家庭用ゲーム機で、ゲームのポイントを入手したい為に子どもが課金していたことが発覚。その場合、後日そのお金の返金は可能なのか。
A、法律上、「未成年者取り消し」というものは存在する。
・・・が、保護者用アカウントを使い保護者名義のクレジットカードで購入していた場合、取り消し不可と拒否されることが一般的。ゲーム会社にとっては、誰が購入しているのかは確認不可である為。

早めに消費生活センターに相談を
個人で「返金リクエスト」をしてもだいたい断られるが、そこから消費生活センターの協力を得て、細かい経緯書や今後どのように対策していくのかをゲーム会社へ提出し続けることで、返金されることもある(かなりの労力なため、途中で断念する家庭もある)。
返金額などはゲーム会社の采配により決められる。
二度目はない
一度目に返金されても、二度目の返金は絶対にない。
よって、子どもに持たせるスマホには「ペアレンタルコントロール機能」や「フィルタリング設定」などを利用し、ルールは絶対に守るよう話し合っておくことがとても重要。

大切なふたつのこと
①子どもが大金を支払っていたことに気付いたとき、絶対に怒らない
→怒ると今後さらに隠す
②トラブルになった時は必ず子どもも巻き込んで解決に取り組む(本人に書類を書かせる等して)
→本人に解決の大変さをわからせる、危機感を体感させる
投げ銭、サブスクにも潜む危険(例)
●応援している人のライブ配信にて投げ銭…投げ銭すると相手が目に止めてくれ、時には直接声をかけてくれることもあるのではまりやすい。
→子どもが保護者の許可なく課金しないよう、子どもが利用しているサービスやその決済についての仕組みを理解しおく。日頃からルールについて話し合っておく。
●サブスク…一定期間無料のサブスクに登録していたのを忘れて放置してしまい、無料期間を過ぎて定額を定期的に支払い続けていた。また、亡くなった夫のスマホより毎月一定額が引き落とされているが、本人がいないのでどこに登録したものなのかがわからない。
→ポイント稼ぎのサブスクには要注意。キャリア決済やクレジットカード等の明細は毎月確認する。
一人で絶対悩まない 相談連絡先は
トラブルに巻き込まれたと気付いたとき、一人で悩まずすぐ相談する。解決しようと強く思うことが大切。過去には抱え込んで鬱になった人もいる。
名古屋市消費生活センター052‐222‐9671 / 消費者ホットライン188


参加者からの質疑応答
Q、普通、子どもは大人のお金を使ってはいけないとわかっているのでは??
A、低学年の子は理解できていないと思う。しかし中学年くらいからはわかっていて使う。ただ、そこまでの金額を使っているとは気づいておらず、金額を知った時は青ざめる。
Q、お年玉を喜んでいるが、どのように管理させるべきか?
A、現金の場合は子どもと相談(今はPayPay支給もあるが)。ルールを決めて一定額使わせてみた方がよい。使わないとわからない。子どもが支払う時「こんなものに使うの」とは絶対に言わず買わせてあげ、後日「本当に必要な物だったか」を子どもと話し合う。
Q、持っているお金すべてを使いたくなる子はどうしたらよいか?
A、まずは買わせる。後日「本当に必要な物だったか」を子どもと話し合う。
繰り返すうちに段々と理解してくる。
Q、成年契約できるのは何歳からか
A、18歳の誕生日から。悪質業者は経験の少ない18歳になりたての成年達を狙いにくる。注意しないといけない。
以上、全体の流れをまとめ、掲載致しました。まさか小学生が…と思いがちですが、実例をお話いただき改めてスマホを子どもへ与える保護者の責任の重さを痛感した講演会でした。
さくら連絡網でも1月17日に動画配信しています。ぜひご覧ください。